発言は意味を変えない範囲で、読みやすい形に整えています。
「iOSでも十分楽しめる」Trusted Userが語るVRChatの魅力
「VRChatはPCやVR機器がないと楽しめない。」
そんなイメージを持っている人も少なくないだろう。
しかし今回お話を伺ったいちあつしさんは、iPhoneだけでVRChatを続け、Trusted Userに到達したユーザーだ。
iOSだけで遊び続けて感じたこと、工夫していること、そしてVRChatの楽しみ方について話を聞いた。

Twitterがきっかけ、完全ソロでの船出

――VRChatを始めたきっかけを教えてください。

Twitterで流れてきたのがきっかけです。
リリースされたと知って衝動で入れました。
始めた時は完全にソロでした。
もともとVRChatという存在は知っていたものの、実際に遊んだことはなかった。
そんな中、iOS版がリリースされたことを知り、「ちょっと遊んでみよう」という気持ちでダウンロードしたそうだ。
一緒に始める仲間がいたわけではない。
誰の手も借りず、一人でVRChatという未知の世界に足を踏み入れたところから、いちさんの物語は始まっている。

――iOS版VRChatを遊ぶうえで、お金はかかりましたか?

完全に無料です。
スマートフォン一つ、しかも費用をかけずに始められる。
この気軽さこそが、iOS版VRChatの入り口としての強みなのかもしれない。
FUJIYAMAに通ってたどり着いたTrusted

――Trustedになるまで、どのような遊び方や活動をしていましたか?

FUJIYAMAに行ってフレンドを作っていたら、いつの間にかTrustedになっていました。
VRChatでは、アバターやワールドのアップロード、イベント運営など、さまざまな活動を通じてコミュニティに貢献するユーザーも多い。
しかし、いちさんがTrusted Userへ到達した理由は、それとは少し違っていた。
日課のようにFUJIYAMAへ足を運び、そこで出会った人たちと話し、交流を重ねる。
その積み重ねの先に、自然とTrusted Userというランクが待っていたという。
「特別なことをしなければTrustedになれない」というイメージを持っている人もいるかもしれない。
しかし今回の話からは、人との交流を楽しみながらVRChatを続けることも、Trusted Userへの一つの道であることがうかがえた。

どのタイミングでTrustedになったんですか?

確信はないですが、フレンド数が250人を超えたあたりでTrustedになったと思います。
華やかな活動実績を積み上げたわけではなく、一つのワールドに通い、人との関わりを積み重ねた結果としてのTrusted。地道な交流の積み重ねが、信頼度という形で返ってきたエピソードだ。
フレンドは今や280人を超えているという。
ios非対応でも「ごり押しで交流」
PCVRユーザーとiOSユーザーが同じ空間で過ごすとき、アバターの対応状況は交流のしやすさに直結する。
PCVRユーザーが使用しているアバターの中には、iOSでは表示されないものも少なくない。
そのため、「相手の姿が見えないまま会話をする」という場面も、iOSユーザーにとっては珍しくない。

――PCVRユーザーがiOS非対応アバターを使っていると、交流しづらいと感じますか?

ios非対応のアバターは交流しづらいっちゃしづらいですが、アバターのサムネイルなどでごり押しで交流しています。
相手の姿が見えなくても、プロフィールに表示されるアバターのサムネイルを見ながら会話を続けるといういちさん。
「見えないから話せない」ではなく、その場にある情報を頼りに交流を楽しんでいる様子が印象的だった。
制約があっても交流を諦めない、いちさんらしい姿勢がうかがえる。

――iOS対応アバターを用意しているPCVRユーザーは、体感として多いですか?

対応してくれていたり、対応されているサンプルを使用してくれたりするので、体感としては多いです。
iOSユーザーへの配慮として、対応アバターやサンプルアバターを用意しているユーザーも多いという。
いちさん自身も、「体感としては多い」と話しており、交流のしやすさにつながっているようだ。

――PCVRユーザーに「こうしてもらえると交流しやすい」と思うことはありますか?

特にありません。
iOSだからこその制約はある。
それでもいちさんは、「もっとこうしてほしい」という要望を語ることはなかった。
見えないなら別の方法で交流する。対応している人がいれば、その環境を楽しむ。
インタビューを通して感じたのは、「できないこと」に目を向けるのではなく、「今できること」を自然に楽しんでいる姿勢だった。
普段の拠点はFUJIYAMA、意外と多いiOS対応ワールド
いちさんの普段の活動拠点は、パブリックワールド「FUJIYAMA」。
交流を楽しむ一方で、「おはツイ」に投稿する写真を撮るためにワールド巡りをすることもあるという。
また、フレンドとゲームワールドへ遊びに行くこともあり、iOSだからといって遊び方が限られているわけではない。
お気に入りとして挙げてくれたのは、「終刻の遺都」。
当初はiOS非対応だったものの、後から対応されたワールドだという。
そのほかにも、魚の全長を当てるゲームワールド「魚げっさー」や、フレンドと遊んで楽しかったという「サイバーフェンシング」など、ジャンルを問わずさまざまなワールドを楽しんでいる。
「Murder」や「Zombie Survivor」といった人気ゲームワールドもiOSに対応しており、iosでも遊べるところは多いようだ。

意外と対応ワールドは多いですね。
iOS版では入れないワールドもある一方で、実際に遊べるワールドは想像以上に多い。
交流、写真撮影、ゲームと、普段の遊び方を聞いていると、「iOSだから遊ぶ場所がない」という印象はほとんど受けなかった。遊べる場所を探す楽しさも、iOS版ならではなのかもしれない。
好きなものがあるから、会いに行く。

――VRChat内のイベントへ参加した経験はありますか?

参加したのは二つで、「メスケモ推進委員会」と「イケケモ休憩所」です。
ケモノがごりごり好きなので。
参加経験のあるイベントは、「メスケモ推進委員会」と「イケケモ休憩所」の二つ。
どちらもケモノアバターをテーマにしたコミュニティイベントだ。

――イベント参加時に、iOS環境だから困ったことはありましたか?

具体的に困ることはないですね。 アバターが見えないくらいのことしかないです。
iOSでは表示できないアバターに出会うことはあるものの、それ以上に大きな不便は感じていないという。
イベントへの参加そのものが難しいという印象はなく、好きなジャンルのイベントを楽しめている様子がうかがえた。
イベントでも、「iOSだから参加しづらい」という印象はほとんど受けない。
好きなコミュニティに足を運び、同じ趣味を持つ人たちと交流する。そんなVRChatらしい楽しみ方は、iOSでも変わらず楽しめるようだ。
パブリックが”居場所”になった

――交流やコミュニティについて教えてください。普段はどのように呼ばれていますか?

普段は「いちさん」や「あつし」と呼ばれています。

――普段はどのようなコミュニティで交流していますか?

よく顔を出す特定のグループなどはなく、基本的にパブリックで過ごしています。
フレンドの多くはFUJIYAMAで知り合った人たちです。FUJIYAMAによく行くので、ひまりなどにはあまり行きません。
よく顔を出す特定のコミュニティはなく、普段はパブリックワールドで過ごすことが多いという。
なかでもFUJIYAMAは、いちさんにとって交流の中心となる場所だ。

――VRChatで経験したなかで、一番印象に残っている出会いは?

特に一つに絞れるものはないですが、一番覚えているのは同じiOS勢だった人です。
一番印象に残っているのは、同じiOSユーザーとして出会ったフレンド。
当時は同じ環境で遊んでいたものの、その後相手はPCVRへ移行したという。
一緒に始めた仲間が新しい環境へ進んでいく様子も、VRChatで積み重ねた時間の一つなのかもしれない。

――VRChatで出会ったユーザーと、XやDiscordなどVRChat以外でも交流することはありますか?

Twitter(X)やディスコードなどで普段から交流しています。
Twitter(X)では「#いちあつしVR買え」と脅されたこともあります(笑)。
本人曰く、「普段はTwitterかVRCに蔓延っている」とのこと。
フレンドさんとSwitchでAPEXなどのFPSをすることもあるそうだ。
VRChatの外でも関係が続いている証拠として、フレンドたちからの軽口も紹介してくれた。ゲーム好きとしての一面も垣間見える。

――iOSユーザーとPCVRユーザーの間に、交流の壁を感じた経験はありますか?

特にありません。
インタビューを通して何度も感じたのは、「iOSだから」という言葉をほとんど口にしなかったことだ。
パブリックワールドで人と出会い、SNSでも交流を続ける。いちさんにとって、VRChatを楽しむうえで大切だったのは、デバイスではなく人とのつながりなのかもしれない。
目指すはまず単騎、いつかPCVRで行きたい場所へ

――今後、VRゴーグルの購入やPCVRへの移行は考えていますか?

まずはquest単騎を目指しています。PCVRになったら、スマホでは行けなかったところに、みんなで行きたいです!
話を聞いていて印象的だったのは、「PCVRになりたい」という言葉の理由だった。
より高性能な環境で遊びたいから――というだけではない。
「みんなで行きたい」。
その一言には、これまでiOSで築いてきたフレンドとの時間を大切にしながら、これからは一緒に行ける場所を増やしたいという思いが込められていた。
iOSでの時間は、PCVRまでの「つなぎ」ではなかった。
パブリックワールドで出会い、イベントに参加し、Trusted Userになり、多くのフレンドと交流を重ねてきた。その経験があるからこそ、次はPCVRで新しい景色を見に行きたい。
いちさんの「次の目標」は、これまで積み重ねてきたVRChatでの日々の、その先に続いている。
「少しでも遊んでいただきたい」――これから始める人へ

――これからiOSでVRChatを始める人へ伝えたいことはありますか?

VRCを少しだけでも遊んでいただきたいです。 PCやVRを買う余裕がなくても、スマホでできるので、ぜひプレイしてほしいと思っています。
スマホで入ってみて、「あっ、このゲーム面白いな」と少しでも思ってもらえたら。そのまま沼にハマってくれたら嬉しいなと思います。VRCを新たに始めた方が、この記事を見てVRCを始めてくれたら嬉しいです。
いちさんの回答からは、iOS環境ならではの不便さを語るというよりも、「今ある環境でどう楽しむか」という前向きな姿勢が強く伝わってきた。
FUJIYAMAに通い、人との交流を重ね、気づけばTrusted Userに。
フレンド288人という交友関係も、そうした日々の積み重ねの先に生まれたものだ。
「少しでも遊んでいただきたい」という言葉には、自身がVRChatで感じてきた楽しさを、これから始める人にも味わってほしいという思いが込められていた。
いつかPCVRになって、スマホでは行けなかった場所へフレンドたちと一緒に行く――。
その新しい目標を胸に、いちさんは今日もiPhoneからVRChatの世界へログインしている。
なお、いちさんは現在お砂糖も募集中とのこと。気になった方は、のちに記載するSNSアカウントもぜひチェックしてみてほしい。
取材後記
iOS版VRChatが登場してから、「スマホでも楽しめるの?」という声を耳にする機会は少なくはない。
今回、いちさんにお話を伺い、その答えは「人による」ではなく、「楽しみ方次第なのかもしれない」と感じられた。
パブリックワールドで出会い、交流を重ね、気づけばTrusted Userへ。そこには特別な近道はなく、VRChatという世界を少しずつ楽しみ続けた時間がありました。
「あっ、このゲーム面白いな」。そんな小さなきっかけから、新しい世界は始まるのかもしれない。
いちあつし
iOS版VRChatを拠点に活動する「いちあつし」。フレンド288人という規模の交流を築いてきたTrusted Userで、「メスケモ推進委員会」や「イケケモ休憩所」にも顔を出すほどのケモノ好き。VRChatの外でもTwitterやDiscordで交流を続け、Switchでのゲームも楽しむ日常派。今後はPCVRへの移行、いわゆる単騎装備を目標に掲げ、スマホでは行けなかった場所へフレンドと共に足を運ぶことを目指している。
お砂糖募集中!

